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1994_98 アーカイブ

2007年06月04日

1994_980001

どこからか聞こえてくる私を呼ぶ声
誰にも分からないけれど確かに聞こえる
遠い記憶の彼方から
どこか懐かしい声が私に呼び掛ける
生まれ変わる前
遙か昔にどこかで聞いた声

1994_980002

たとえ君がどこにいても
僕には君が分かる
いつだって君を感じている
君の存在が僕を支えてくれる
君と同じ時代に生まれたこと
君と同じ空の下で呼吸していること
ただそれだけのことで
僕は強くなれる

1994_980003

本当は心の中のすべてを
そのまま君に伝えてしまいたい
僕がどれほど君を想っているか
その気持ちを素直に言えたら
いつだってそう思ってるのに
ただ好きとさえ言えずに
君の笑顔見るたびに
泣きたくなるほど切なくなる

1994_980004

何気なく発した君の言葉は
僕の心につき刺さって
深い傷になった
別に君は僕に向かって
何かを言ったんじゃない
僕と君とはそれほど親しくはない
ただ君がこれだけは許せないと言ったことが
ぴったり僕に当てはまっただけのことだ
そしてそれは自分でも気づいていたこと
ただそれだけのこと
でもただそれだけのことで
僕には君との間に
埋められない溝ができたように思えた

1994_980005

君にはいつも
変なことばかり
言ってる気がする
言わなくてもいいことばかり
本当に言いたいことは
いつだって心の奥に
しまい込んで言えないまま
本当のことを隠そうとすればするほど
君の前では
余計なことばかり口走る

1994_980007

このまま何も言わないうちに
君とはもう会えなくなる
誰よりも君の近くにいたいと思ってるくせに
君の前に出ると
思っていることの半分も口に出せなくなる
傷つくぐらいなら
何もないほうがましだと
心のどこかで考えている

1994_980008

君の声に振り返ると
昔と変わらない笑顔が
そこにあった
不意の出来事に
何も言えずに
ただ立ち尽くした

1994_980009

久しぶりに戻ったこの街
見慣れないビルが
見慣れた景色を
すっかり違う景色に変えていた
久しぶりに会った君の笑顔
会わずにいた時間が
昔と変わらない笑顔に
見知らぬ影をつくっていた

1994_980010

いつまで
こんな気持ちを
抱えたまま
過ごすのだろう
伝えることも
断ち切ることも
自分をだますことも
どうすることもできずに
ただ時間だけが
流れていく

1994_980011

言葉なんかじゃ
伝えられないこともある
心の奥に隠した想いを口にしようとすれば
すべてが嘘になってしまう
どこか薄っぺらなものになってしまう
だけどそれでも
口にしなければ何も伝わらない
本当の想いの何十分の一しか伝わらなくても
何かを伝えたいと思えば
口にするより他はない

1994_980012

明日君に会いに行く
ずっと決めてた
夏が来る前に君に会いに行こうと
何度も忘れようとしたけど
ずっと心の中に隠しておこうと思ったけど
そんなこと出来ないってことが
ようやく分かった
それでもすぐには告げられなくて
夏が来る前に君に伝えようと決めた
明日君に会いに行く

1994_980014

やるべきことを先送りしてると
いつかそのつけが回ってくると
どこかの誰かが言っていた
あまりに今の自分に当てはまる言葉に
なんだか嫌になってきた
そんなこと言われなくても分かってる
見も知らぬあんたに言われる筋合いはない
そう分かってる
逃げても何の解決にもならないことぐらい
ちゃんと向かい合わなきゃならないことぐらい
あんたに言われなくてもね
ただ知らない振りをしてるだけ

1994_980015

何をする気力もなくて
しなければならないことだけが
積み上げられていく
やらなければならない
焦りばかり募っていく
誰のせいでもないことは
分かっているのに
誰かになんとかしてもらいたい
そればかり考えてる
自分がどうしたいのかも分からず
今日もまた一日が
なんとなく過ぎていく

1994_980017

君にすべてを話したいと思っても
ただ君にそばにいてほしいと思っても
素直に言葉にできずに
部屋の片隅で一人
やりきれない気持ちを抱えてる
弱さをすべて見せられるほど
強くなりたい

1994_980018

テレビからは毎日のように
世界中のニュースが流れてくる
今日もまたどこかの国で
人は傷つけ合い血を流す
画面に映し出された目を覆うような光景
大切な人を亡くして泣き叫ぶ人
ただ呆然と立ち尽くす人
涙にぬれた真っ赤な目をして唇をかみしめる人
映っては消えていく人の表情(かお)
遺されて途方に暮れる人たちの表情(かお)
大切な人を亡くして流す涙には
国境なんてないと思った
今君を亡くしたら
生きる意味さえなくしてしまうだろう
なぜ人は憎しみ合い血を流すのだろう
相手を否定し責め合うことからは何も生まれない
争えば何かが壊れていく
何よりも大切だったはずの
幸せな日々が遠ざかっていく
人は何を求めて争うのだろう
君との日々を犠牲にしてまで
手に入れなきゃならないものなんて何もない

1994_980019

冷えきった夜空に
凍えそうな月明かり
白い息で両手を暖めながら
肩をすくめて歩く帰り道
見上げれば
僕を照らす月と目が合う
その微笑みに思わず笑い返す
いつもありがとう
あなたが照らしていてくれるおかげで
どんな悩みも小さなことだと思える
どんな小さな幸せも素直に幸せだと思える
明日もまた生きていこうと思える
どうかいつまでも
僕を見守り続けて欲しい
最後にもう一度笑い返して
冷えきった部屋のドアを開けた

1994_980020

部屋の片隅で両膝を抱えてみる
何もできない自分が悲しくて
どうしようもない苛立ちと
繰り返し襲ってくる絶望感に
何度もため息がこぼれる
目の前のたった一人の人も
守ることができない
守りたいと思ったことさえ
思い上がりだったって思えてくる
守れるほど近くにさえ
いなかったのかもしれない
自分以外の誰かを守れる余裕なんて
きっと初めからなかった
結局自分のことだけで精一杯だった

1994_980021

お元気ですか
あなたに最後に会ったのがいつだったかも
忘れてしまうほど長い時間が過ぎました
それでも流れていくのはいつも時間ばかりで
私の中にあるあなたとの思い出は
未だにはっきりと残っています
あなたの顔やあなたの声
あなたの仕草の一つ一つが
まるで昨日のことのように思い出されます
忘れなければならないと
いつまでもあなたとの思い出にすがっている
そんな自分を責めては
眠れぬ夜を何度も過ごしたけれど
今はただ
時間があなたを記憶の彼方に連れ去ってくれるのを
待っているだけです
どうかその日が来るまで
あなたを好きでいさせて下さい
それではお元気で

1994_980022

もし君がここにいて
笑ってくれるなら
また頑張れる気がするのに
なんて
こんなときに
君の優しさを求める
自分が情けなくなってくる

1994_980023

拝啓
 お元気ですか
 僕は相変わらずの毎日を送っています
 ただ君のいないこの街は何か物足りなく思えます
 うまく言えないけれど
 君が僕にとってどれほど大きな存在だったか
 今になってはじめて分かった気がします
 気づくのが遅すぎたけれど
 それだけは伝えたかったのです
 もう会うこともないと思いますが
 君に会えてよかったと心からそう感じています
 いつでも笑顔の似合う君でいて下さい
 それではお元気で
                      敬具

1994_980025

僕が君を守る
たとえ君の重さに
押しつぶされたとしても
君だけは
誰にも傷つけさせない
僕のすべてと
引き換えにしてもかまわない
僕が君を守る

1994_980026

もし君が僕のすべてで君を愛することを求めるなら
僕のすべてを君に捧げる
もし君が君のすべてを僕が愛することを望むなら
君のすべてを僕は受け止める
もし今の僕のすべてを捧げても君に足りないなら
僕より強い人間になる
もし今の君のすべてを受け止めるのに僕が小さすぎるなら
君より大きな人間になる

1994_980027

欲しいのは強さ
ただそれだけ
夢を叶える強さ
現実を見つめる強さ
逆風に負けない強さ
そして何より欲しいのは
君を守っていく強さ

1994_980030

何か話すことがあるわけでもなく
ただ君の声が聞きたくなることがある
何か用事があるわけでもなく
ただ君の顔が見たくなるときがある
だけどどんなにそう思っても
君に電話をかけたり
君に会いに行ったりできない
「君の声が聞きたかったから」
「君の顔が見たかっただけ」
そんな台詞言えそうにもない

1994_980031

それ以上は言っちゃいけないと
いつも自分の気持ちを抑えてきた
無意識のうちに本音を隠して
素直に気持ちを言葉にできなくなった

1994_980032

君のそばにいると
少しは素直になれる気がする
その時言えなかったことも
時間が経てば言えることもある
まだ全部じゃないけどね

1994_980033

泣きたいときに泣けること
淋しいときに淋しいと言えること
それができれば
もっと楽に生きられるのに

1994_980034

素直になること
できない人間にとっては
何より難しい

1994_980035

自分の気持ちを伝えるのに
どんな言葉を使えばいいのか
それが分からなくて
結局黙ってしまう
言いたいことがないわけじゃない
本当はいくらだってある
だけど伝え方が分からない
どうすればいいのか分からない
ねえ誰か教えてよ

1994_980036

「やさしすぎるんだよ」って
本当はやさしいんじゃない
ただ弱いだけ
心底やさしくなれたら
そんな言葉も
気に留めなくなれるかな

1994_980037

言葉ならなんとでも言える
そう思いながら
他人の言葉に振り回されてる
ちょっとした言葉に
傷ついたり落ち込んだり
素直に信じられなくて
疑心暗鬼になったり
ホント何やってんだか

1994_980038

何から何までうまくいかない気がして
自信なんかどこにもない
「もっと自信持てよ」って
そんなこと言われても
自信なんてどうやって持てばいいのか
分からない
自信持てよって言うんなら
自信の持ち方も教えてよ

1994_980039

自分に自信を持つこと
それが大事だって分かってはいてもね
ちょっとしたことで
落ち込んだり
自信なくしたり
なんだか嫌になってくるよね

1994_980040

このまま何も言わずに
そばにいて
自分の気持ちを
うまく言葉にできないけど
君がそばにいてくれたら
不安もイライラも消えて
あったかい気分になれるから

1994_980041

僕が君を求めるのは
淋しいから?
不安で崩れそうな僕を
やさしく包んでくれる
そんな君に甘えてるだけなんだろうか

1994_980042

甘え
結局すべてこれのせいなのかもしれない
誰かにすがりたいとか
何もしたくないとか
そんな気持ちも
これもできないし
あれも自分には無理だって
そう思うことも
全部甘えだって感じながら
やっぱり何も変わらない

1994_980043

何かをやり遂げようとすると
自分のだめなところばかり見えてくる
100%やり遂げようと思っちゃいけないって
そのたび思うけど
結局自分はだめなんだって
そう思うことで
すべてから逃げてるだけなのかもしれない

1994_980044

ただひとつ言えることは
結局何も変わってはいなかったということ
ちょっとは成長したつもりになっていたけど
一番大事なところでそれが分かった

1994_980045

どうすればいいのか
答えが見つからないうちに
時間だけが過ぎてく
毎日はただ同じように流れて
後戻りできなくなっていく
このままじゃいけない
分かってはいるけど
楽な方にばかり流れてく
歯止めが効かなくなってく
誰かに助けを求めたくても
求められない
求めても仕方ない
どうすればいいのか
いくら考えても答えは見つからない

1994_980046

答えのでない問いを
何度も繰り返しては
ため息をつく
習慣化される思考
無意識に繰り返される流れ
はじまりは答えのない問い
最後はいつもため息
もうやめようと思う
これも習慣
暇な時間をつぶすための呪文
なんの意味もない

1994_980047

どこかで見たような顔が
今日も何か話してる
僕にはその意味がよく分からない
とにかく言葉らしいものを
話しているということだけは分かる
どこの誰が何のために話しているんだろう
僕に話しかけてるんじゃないことだけは確かだ
だって僕には意味が分からない
周りを見ても誰も分かってないみたい
あの人は誰に話してるんだろう

1994_980049

自分には何もできない
そんな気持ちを振り切るために
たどり着きたかった目標も
結局何もできないまま
遠ざかっていった

1994_980050

君の目にあふれた涙
どうして君は泣くの?
僕には何もできないのに
君の涙を拭うことも
君の震える肩を抱くことも
僕にはできない
だって
君の求めてるのは僕じゃないから

2007年06月12日

1994_980051

どこにいたって
君のこと考えてる
君は僕のことなんか
ほんの時々しか
思い出さないだろうけど
僕はいつも君のこと考えてる

1994_980052

電話の向こうから
君の声が聞こえてくると
たまらなくうれしくなる
たとえそれが
単なる用事だったとしても

1994_980054

僕が僕らしくいるのは
ただ僕のため
だけど
僕が僕らしくいられるのは
君のおかげ

2007年06月13日

1994_980055

「ねぇ……」
君が僕の顔をのぞきこみながら
遠慮がちにそう言うときは
決まって何かを頼むとき
「なに?」
ちょっとだけうんざりした振りをして
僕は答える
本当は君に何か頼まれるのは
うれしくて仕方ないんだけどね
くやしいから一生教えてあげないよ

1994_980057

言葉なんかじゃ伝えられない
言葉でなきゃ伝えられない
どっちも本当のこと

1994_980059

大事なことがなんなのか
それさえ分からない
分かることなんて一つもない
自分の気持ちさえ
今じゃもう分からない

1994_980060

どんなに文字をつらねても
どこかで見たような調子ばかり
自分のものなんて何一つない
あるのは
人真似と言い訳だけ

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