1994_980001
どこからか聞こえてくる私を呼ぶ声
誰にも分からないけれど確かに聞こえる
遠い記憶の彼方から
どこか懐かしい声が私に呼び掛ける
生まれ変わる前
遙か昔にどこかで聞いた声
どこからか聞こえてくる私を呼ぶ声
誰にも分からないけれど確かに聞こえる
遠い記憶の彼方から
どこか懐かしい声が私に呼び掛ける
生まれ変わる前
遙か昔にどこかで聞いた声
たとえ君がどこにいても
僕には君が分かる
いつだって君を感じている
君の存在が僕を支えてくれる
君と同じ時代に生まれたこと
君と同じ空の下で呼吸していること
ただそれだけのことで
僕は強くなれる
本当は心の中のすべてを
そのまま君に伝えてしまいたい
僕がどれほど君を想っているか
その気持ちを素直に言えたら
いつだってそう思ってるのに
ただ好きとさえ言えずに
君の笑顔見るたびに
泣きたくなるほど切なくなる
何気なく発した君の言葉は
僕の心につき刺さって
深い傷になった
別に君は僕に向かって
何かを言ったんじゃない
僕と君とはそれほど親しくはない
ただ君がこれだけは許せないと言ったことが
ぴったり僕に当てはまっただけのことだ
そしてそれは自分でも気づいていたこと
ただそれだけのこと
でもただそれだけのことで
僕には君との間に
埋められない溝ができたように思えた
君にはいつも
変なことばかり
言ってる気がする
言わなくてもいいことばかり
本当に言いたいことは
いつだって心の奥に
しまい込んで言えないまま
本当のことを隠そうとすればするほど
君の前では
余計なことばかり口走る
このまま何も言わないうちに
君とはもう会えなくなる
誰よりも君の近くにいたいと思ってるくせに
君の前に出ると
思っていることの半分も口に出せなくなる
傷つくぐらいなら
何もないほうがましだと
心のどこかで考えている
君の声に振り返ると
昔と変わらない笑顔が
そこにあった
不意の出来事に
何も言えずに
ただ立ち尽くした
久しぶりに戻ったこの街
見慣れないビルが
見慣れた景色を
すっかり違う景色に変えていた
久しぶりに会った君の笑顔
会わずにいた時間が
昔と変わらない笑顔に
見知らぬ影をつくっていた
いつまで
こんな気持ちを
抱えたまま
過ごすのだろう
伝えることも
断ち切ることも
自分をだますことも
どうすることもできずに
ただ時間だけが
流れていく
言葉なんかじゃ
伝えられないこともある
心の奥に隠した想いを口にしようとすれば
すべてが嘘になってしまう
どこか薄っぺらなものになってしまう
だけどそれでも
口にしなければ何も伝わらない
本当の想いの何十分の一しか伝わらなくても
何かを伝えたいと思えば
口にするより他はない
明日君に会いに行く
ずっと決めてた
夏が来る前に君に会いに行こうと
何度も忘れようとしたけど
ずっと心の中に隠しておこうと思ったけど
そんなこと出来ないってことが
ようやく分かった
それでもすぐには告げられなくて
夏が来る前に君に伝えようと決めた
明日君に会いに行く
やるべきことを先送りしてると
いつかそのつけが回ってくると
どこかの誰かが言っていた
あまりに今の自分に当てはまる言葉に
なんだか嫌になってきた
そんなこと言われなくても分かってる
見も知らぬあんたに言われる筋合いはない
そう分かってる
逃げても何の解決にもならないことぐらい
ちゃんと向かい合わなきゃならないことぐらい
あんたに言われなくてもね
ただ知らない振りをしてるだけ
何をする気力もなくて
しなければならないことだけが
積み上げられていく
やらなければならない
焦りばかり募っていく
誰のせいでもないことは
分かっているのに
誰かになんとかしてもらいたい
そればかり考えてる
自分がどうしたいのかも分からず
今日もまた一日が
なんとなく過ぎていく
君にすべてを話したいと思っても
ただ君にそばにいてほしいと思っても
素直に言葉にできずに
部屋の片隅で一人
やりきれない気持ちを抱えてる
弱さをすべて見せられるほど
強くなりたい
テレビからは毎日のように
世界中のニュースが流れてくる
今日もまたどこかの国で
人は傷つけ合い血を流す
画面に映し出された目を覆うような光景
大切な人を亡くして泣き叫ぶ人
ただ呆然と立ち尽くす人
涙にぬれた真っ赤な目をして唇をかみしめる人
映っては消えていく人の表情(かお)
遺されて途方に暮れる人たちの表情(かお)
大切な人を亡くして流す涙には
国境なんてないと思った
今君を亡くしたら
生きる意味さえなくしてしまうだろう
なぜ人は憎しみ合い血を流すのだろう
相手を否定し責め合うことからは何も生まれない
争えば何かが壊れていく
何よりも大切だったはずの
幸せな日々が遠ざかっていく
人は何を求めて争うのだろう
君との日々を犠牲にしてまで
手に入れなきゃならないものなんて何もない
冷えきった夜空に
凍えそうな月明かり
白い息で両手を暖めながら
肩をすくめて歩く帰り道
見上げれば
僕を照らす月と目が合う
その微笑みに思わず笑い返す
いつもありがとう
あなたが照らしていてくれるおかげで
どんな悩みも小さなことだと思える
どんな小さな幸せも素直に幸せだと思える
明日もまた生きていこうと思える
どうかいつまでも
僕を見守り続けて欲しい
最後にもう一度笑い返して
冷えきった部屋のドアを開けた
部屋の片隅で両膝を抱えてみる
何もできない自分が悲しくて
どうしようもない苛立ちと
繰り返し襲ってくる絶望感に
何度もため息がこぼれる
目の前のたった一人の人も
守ることができない
守りたいと思ったことさえ
思い上がりだったって思えてくる
守れるほど近くにさえ
いなかったのかもしれない
自分以外の誰かを守れる余裕なんて
きっと初めからなかった
結局自分のことだけで精一杯だった
お元気ですか
あなたに最後に会ったのがいつだったかも
忘れてしまうほど長い時間が過ぎました
それでも流れていくのはいつも時間ばかりで
私の中にあるあなたとの思い出は
未だにはっきりと残っています
あなたの顔やあなたの声
あなたの仕草の一つ一つが
まるで昨日のことのように思い出されます
忘れなければならないと
いつまでもあなたとの思い出にすがっている
そんな自分を責めては
眠れぬ夜を何度も過ごしたけれど
今はただ
時間があなたを記憶の彼方に連れ去ってくれるのを
待っているだけです
どうかその日が来るまで
あなたを好きでいさせて下さい
それではお元気で
もし君がここにいて
笑ってくれるなら
また頑張れる気がするのに
なんて
こんなときに
君の優しさを求める
自分が情けなくなってくる
拝啓
お元気ですか
僕は相変わらずの毎日を送っています
ただ君のいないこの街は何か物足りなく思えます
うまく言えないけれど
君が僕にとってどれほど大きな存在だったか
今になってはじめて分かった気がします
気づくのが遅すぎたけれど
それだけは伝えたかったのです
もう会うこともないと思いますが
君に会えてよかったと心からそう感じています
いつでも笑顔の似合う君でいて下さい
それではお元気で
敬具
僕が君を守る
たとえ君の重さに
押しつぶされたとしても
君だけは
誰にも傷つけさせない
僕のすべてと
引き換えにしてもかまわない
僕が君を守る
もし君が僕のすべてで君を愛することを求めるなら
僕のすべてを君に捧げる
もし君が君のすべてを僕が愛することを望むなら
君のすべてを僕は受け止める
もし今の僕のすべてを捧げても君に足りないなら
僕より強い人間になる
もし今の君のすべてを受け止めるのに僕が小さすぎるなら
君より大きな人間になる
欲しいのは強さ
ただそれだけ
夢を叶える強さ
現実を見つめる強さ
逆風に負けない強さ
そして何より欲しいのは
君を守っていく強さ
何か話すことがあるわけでもなく
ただ君の声が聞きたくなることがある
何か用事があるわけでもなく
ただ君の顔が見たくなるときがある
だけどどんなにそう思っても
君に電話をかけたり
君に会いに行ったりできない
「君の声が聞きたかったから」
「君の顔が見たかっただけ」
そんな台詞言えそうにもない
それ以上は言っちゃいけないと
いつも自分の気持ちを抑えてきた
無意識のうちに本音を隠して
素直に気持ちを言葉にできなくなった
君のそばにいると
少しは素直になれる気がする
その時言えなかったことも
時間が経てば言えることもある
まだ全部じゃないけどね
泣きたいときに泣けること
淋しいときに淋しいと言えること
それができれば
もっと楽に生きられるのに
素直になること
できない人間にとっては
何より難しい
自分の気持ちを伝えるのに
どんな言葉を使えばいいのか
それが分からなくて
結局黙ってしまう
言いたいことがないわけじゃない
本当はいくらだってある
だけど伝え方が分からない
どうすればいいのか分からない
ねえ誰か教えてよ
「やさしすぎるんだよ」って
本当はやさしいんじゃない
ただ弱いだけ
心底やさしくなれたら
そんな言葉も
気に留めなくなれるかな
言葉ならなんとでも言える
そう思いながら
他人の言葉に振り回されてる
ちょっとした言葉に
傷ついたり落ち込んだり
素直に信じられなくて
疑心暗鬼になったり
ホント何やってんだか
何から何までうまくいかない気がして
自信なんかどこにもない
「もっと自信持てよ」って
そんなこと言われても
自信なんてどうやって持てばいいのか
分からない
自信持てよって言うんなら
自信の持ち方も教えてよ
自分に自信を持つこと
それが大事だって分かってはいてもね
ちょっとしたことで
落ち込んだり
自信なくしたり
なんだか嫌になってくるよね
このまま何も言わずに
そばにいて
自分の気持ちを
うまく言葉にできないけど
君がそばにいてくれたら
不安もイライラも消えて
あったかい気分になれるから
僕が君を求めるのは
淋しいから?
不安で崩れそうな僕を
やさしく包んでくれる
そんな君に甘えてるだけなんだろうか
甘え
結局すべてこれのせいなのかもしれない
誰かにすがりたいとか
何もしたくないとか
そんな気持ちも
これもできないし
あれも自分には無理だって
そう思うことも
全部甘えだって感じながら
やっぱり何も変わらない
何かをやり遂げようとすると
自分のだめなところばかり見えてくる
100%やり遂げようと思っちゃいけないって
そのたび思うけど
結局自分はだめなんだって
そう思うことで
すべてから逃げてるだけなのかもしれない
ただひとつ言えることは
結局何も変わってはいなかったということ
ちょっとは成長したつもりになっていたけど
一番大事なところでそれが分かった
どうすればいいのか
答えが見つからないうちに
時間だけが過ぎてく
毎日はただ同じように流れて
後戻りできなくなっていく
このままじゃいけない
分かってはいるけど
楽な方にばかり流れてく
歯止めが効かなくなってく
誰かに助けを求めたくても
求められない
求めても仕方ない
どうすればいいのか
いくら考えても答えは見つからない
答えのでない問いを
何度も繰り返しては
ため息をつく
習慣化される思考
無意識に繰り返される流れ
はじまりは答えのない問い
最後はいつもため息
もうやめようと思う
これも習慣
暇な時間をつぶすための呪文
なんの意味もない
どこかで見たような顔が
今日も何か話してる
僕にはその意味がよく分からない
とにかく言葉らしいものを
話しているということだけは分かる
どこの誰が何のために話しているんだろう
僕に話しかけてるんじゃないことだけは確かだ
だって僕には意味が分からない
周りを見ても誰も分かってないみたい
あの人は誰に話してるんだろう
自分には何もできない
そんな気持ちを振り切るために
たどり着きたかった目標も
結局何もできないまま
遠ざかっていった
君の目にあふれた涙
どうして君は泣くの?
僕には何もできないのに
君の涙を拭うことも
君の震える肩を抱くことも
僕にはできない
だって
君の求めてるのは僕じゃないから
どこにいたって
君のこと考えてる
君は僕のことなんか
ほんの時々しか
思い出さないだろうけど
僕はいつも君のこと考えてる
電話の向こうから
君の声が聞こえてくると
たまらなくうれしくなる
たとえそれが
単なる用事だったとしても
僕が僕らしくいるのは
ただ僕のため
だけど
僕が僕らしくいられるのは
君のおかげ
「ねぇ……」
君が僕の顔をのぞきこみながら
遠慮がちにそう言うときは
決まって何かを頼むとき
「なに?」
ちょっとだけうんざりした振りをして
僕は答える
本当は君に何か頼まれるのは
うれしくて仕方ないんだけどね
くやしいから一生教えてあげないよ
言葉なんかじゃ伝えられない
言葉でなきゃ伝えられない
どっちも本当のこと
大事なことがなんなのか
それさえ分からない
分かることなんて一つもない
自分の気持ちさえ
今じゃもう分からない
どんなに文字をつらねても
どこかで見たような調子ばかり
自分のものなんて何一つない
あるのは
人真似と言い訳だけ