昨日、地下鉄東西線で液体がばらまかれて、３人の方がケガを負った事件があったけど、その電車に、ちょうど乗り合わせていた。
普通に走ってた電車は、木場駅で突然、「ここから先回送になります」と何も分からないまま、全員降ろされた。
とりあえず、ホームで次の電車を待つように、とのこと。
周り中でなんだなんだと言いながら、理由が分からずなんとなくざわざわしてる。
それまで順調に走ってたので、何かしらの故障まではいかない、トラブルだろう、と思ってたけど、回送になると言いながらちっとも走り出さないし、車内点検をすると言いながら全然する気配もない。
乗客向けのアナウンスと、業務連絡とが交互に飛び交う中で、「ただ今指示を仰いでおります」とのことで、駅員さんたちもあわててるみたいだった。
そのアナウンスもだんだんと、具体的になっていき、異臭騒ぎがあったこと、乗客が１人気分が悪くなって大手町で降りたこと、などが分かってきた。
その間、さっさと出ていく人、携帯電話で連絡をとる人、いろいろ。私は、財布を見ると、漱石さんが１人しかいず、タクシーに乗って帰れないので、とりあえず本を読んでた。
しばらくして、消防と警察が来て車内点検するために、地上に出てくれ、と言う。
それでもたいしたことではないと思っていたのか、「異臭騒ぎ」という言葉に、どこかでみんなが、またか、という思いがあったのか、みんな静かに地上に上がっていく。
私は、すぐに上がっても、上は人でいっぱいだろうなとというのと、少し先を見てみたいという野次馬根性もあって、最後の方までホームに残っていた。
やがて警察の人がやってきて、早く、上に上がってくれと言うので、さすがに上がったが、まだ下に残ってる人たちも何人かいた。
ギリギリまでデジカメや携帯で写真を撮ってる人たちもいた。
改札のあたりまでいくと、何人かの人たちが駅員さんに詰め寄っている。
いや、駅員さんに詰め寄ってもねぇ。と思ってみていると、詰め寄られている駅員さんを一生懸命携帯で撮ってる人もいる。
私は、外に出た方がいいのか、このままここにいても大丈夫なのか、分からないまま、そこにいた。
そこに、オレンジ色の防護服を身に着けた、消防隊員が到着、下に降りていく。まるで宇宙服、いや、それよりも見た目は大きい気がする。
それから警察の人が、上がってきて、「ちょっと聞いてください」と大声で言った。
だれか液体がかけられたところを見た人がいないか、と言う。
そこにいた人は誰も見ていないみたいだった。私も乗っていた車両が違ったので、何も知らない。
というか、大手町で被害に遭った方が降りたというなら、私は大手町から乗ったので、まず見てるはずはない。
そうこうしてるうちに、ひとつ先の駅から折り返し運転が始まったので、東陽町まで歩いた。
というのが、そのときの様子。
でも、ここで本を読みながらも、結構いろいろと考えてた。
この電車に乗る前、日曜日だったので学校にいたんだけど、そこで独りごとを書いていた。
その内容が、イラクで起きた人質事件のこと。何日か前に関連する記事を読んで、当時書けなかったことを書いておこうかと思って（時間切れで、最後まで書ききれず、保存したと思ってたら、できてなかった）。
これはイヤでもリンクしてしまうわけで、サリン事件からの流れとか、それに対して「異臭騒ぎ」という言葉がなんとなくオオカミ少年的な響きを持ってしまっているなとか。
それから、自分を含めた乗客の反応とかにも、考えさせられた。
なにやら、ワクワクした感じで、写真を撮りまくってる人。気持ちは分かるけど、見ていてあんまり気持ちのいいものじゃなかった。撮りたくても、撮るべきじゃない気がする。
そして、中にインド人らしき女性がいた。傍らに若い日本人の女の子がいたので、連れかと思っていたんだけど、どうも違うらしい。
東陽町から電車が走り出したという話があったとき、女性に一生懸命説明しようとしていた。ただ、英語を話せないらしく、うまく説明できないでいると、そこへ若い男の人がやってきて、
Do you understand?
と結構流ちょうな英語で話し始めた。
結局、女の子と女性が連れ立って、東陽町まで行ったみたいだけど、こういうときに人をちゃんと気遣えることっていいね。
と同時に、近くにいたのに、そのインドの女性が言葉を理解してないんじゃないかってことすら、思い浮かばなかった自分ってどうなのよ、と反省。
細かいことを言えば、もっといろいろあったんだけど、これ以上長くなっても、ねぇ。
ということで、この辺にしとこう。
最後におまけ。
家に帰ってからテレビのニュース見てたら、改札のあたりにいた男の子がインタビューに答えてた。
私も結構最後の方までいたけど、カメラまだ来てなかったけど、テレビカメラが来るまでずっといたんだね。
