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気になる言葉遣い

ちょっと前の話になるけど、教育基本法の改正案が国会で審議されてたとき、たまたま朝テレビで国会中継を見た。
そのとき、文部科学大臣が答弁でこう言ってた。

「時代に合った日本人をつくる」

ちょっとぞっとした。
頭に、ベルトコンベアーの上を人が並んでいて、次々と”日本人の型”にはめられていく映像が浮かんだ。

なんで「育てる」ではなく、「つくる」なのか。「人をつくる」という言い方はあまりいい印象を受けない。
「人をつくる」というと、イメージ的には、ひとりひとりがどういう人間であろうと、強制的に”あるべき姿”に変えられていくような気がしてしまう。本気で、そういうことを考えてるなら別だけど、いや、たとえ考えてたとしてもそれを悟らせないつもりがあるなら、相手が人である以上「育てる」と言ってほしい。
少なくとも、私はつくられたくはないし、たとえ自分の本来ある姿と別のものに変えられてしまうとしても、せめて「育てる」というぐらいの扱いは受けたいと思う。

まぁ、私が知らないだけで、「つくる」という言葉には「育てる」という意味もあるなんてこともないとはいえないけど。

念のために言っておくと、ここで言ってるのは、完全に言葉の問題であって、教育基本法がどうとか(思うところがないわけでもないけど)そういうことじゃない。
そういう表現が抵抗なくできてしまう人たちに、日本の行く末を任せたくない気はするけどねぇ。

それから、なんで今頃この話を書いてるかというと、今日再びその表現を目にしたから。
これは政治家ではない人の発言で、実は「日本人をつくる」という言い方は普通だったりするんじゃないかとか、頭をよぎったけど、そんなことないよね。

とにかく、人は「つくらないでほしい」と思う、という話。

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2007年01月26日 00:51に投稿されたエントリーのページです。

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